単元群の定義
命題 1 (単元群) 単位的環の単元全体をと表す. このときは環の乗法を演算として群をなす. を単元群(group of units)または乗法群(multiplicative group)と呼ぶ.
証明. の単位元についてであるからは空でない.
とするとの逆元が存在する. このとき
となるのではを逆元に持ち, が分かる.
とするとはを逆元に持つのでである.
結合法則は環の定義から従うため, は群をなすことが示された. ◻
単位的可換環の単元群はアーベル群である. また左単元全体を考えた場合, 積で閉じるが逆元が存在するとは限らない.
直積群の単元群
命題 2 (直積環の単元群) を単位的環とする. このとき
が成り立つ.
証明. の部分集合として両者が一致することを示せばよい.
◻
単元群の例
例 3 (零環の単元群) 零環の単元群は自明な群である.
例 4 (体の単元群) 体の単元群はである.
例 5 (一般線形群) 単位的環に対して全行列環の単元群を一般線形群(general linear group)といいで表す.
例 6 (整数環の単元群) の単元はである. よっての単元群はである. また, ガウス整数環の単元はである. よっての単元群はである.
関手性
環とその間の単位的環準同型を考える. をに制限することで群準同型が得られる. これをと書く. この対応により単位的環に対して単元群を対応させる共変関手が得られる.
命題 7 (単元群の関手性) 単位的環準同型に対して, は群準同型である. さらに, 単位的環準同型に対して次が成り立つ.
証明. とするとの逆元が存在する. このとき
となるのではを逆元に持ち, が分かる. が群準同型であることはが単位的環準同型であることから従う.
は明らかに成り立つ. またもがの制限であることからただちに従う. ◻
命題 8 単位的環の同型が成り立つならば, 群の同型が成り立つ.
証明. 仮定より, 単位的環準同型, が存在して
が成り立つ. したがって, 群準同型とについて[単元群の定義:命題 7]より
が成り立つ. よってが群の同型を与える. ◻
参考文献
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