ある事象や物体同士が共通して持つ性質に注目して、それが何かしらの量として比較可能でその関係を数学的に記述できるとき、その量を物理量という。同じ性質の物理量を持つものの中から何か決まった1つを測る基準として選ぶと、他のものが持つその物理量の大きさを基準の実数倍として表せる。この基準を単位という。全ての物理量は決まった単位で測ることで初めて数字を用いて表すことができ、物理的な測定で得られる値は常に実数である。物理量は実数と単位の積((物理量)=(実数)×(単位))なので、のように表す。のような表現は誤りである。

物理量がスカラー、ベクトル、テンソルとしての性質を持つとき、スカラー量、ベクトル量、テンソル量という。ベクトル量やテンソル量の表現は単位だけでなくベクトルやテンソルの基底を定めて初めて決まることに注意する。

次元

ある物理量が表す性質を次元という。足し引きできる、実数倍として表せる物理量は共通の次元を持つ。逆に同じ次元の物理量しか足し引きできず、等号や不等号の両辺の次元は等しい。

基本的な次元として長さ、時間、質量などが挙げられる。例えばが長さの次元を持つとき、と表す。

いくつかの物理量の累乗の積として得られる物理量の次元は、各物理量をその次元で置き換えたものとして表現される。例えばが面積の次元を持つとき、が速度の次元を持つとき、

次元がである物理量を無次元量という。物理的に意味のある無次元量の特徴として、(1)ある特定の次元の量の比によって導かれること、(2)に物理的な意味があること、(3)単位系によらず同じ値となることが挙げられる。

一般に、や三角関数の引数は無次元量であるとされる。ただし、の引数は無次元量は適切な単位量の対数を引くことで無次元化できるため、見かけ上次元を持つ量が入っても良いとされることもある。またこれと似たケースとして、対数関数の引数として指数関数的な量が現れるとき、その指数関数の引数に次元を持つ量が入っても全体としては矛盾を生じない。このようにある関数の引数にその逆関数が入るとき、その逆関数の引数は見かけ上次元を持つ量が入っても良いとも考えられる。こうしたケースで引数が必ずしも無次元量でなくて良いかどうかについて、コンセンサスの取れている整理された議論は未だない。