分散質の大きさが程度の分散系をコロイド分散系あるいは単にコロイドといい、この分散質をその種類や状態にかかわらずコロイド粒子という。コロイドは分散質がある程度の大きさを持つことから、真の溶液などと異なり、力学的・光学的・化学的に特有の性質を持つ。

ここではコロイドの分類について見た後、コロイドに特徴的な現象を紹介する。

分散媒と分散質の状態による分類

コロイドは分散媒と分散質の状態によって以下のように分類される。

分散媒分散質名称例 気体液体エアロゾル霧、雲 固体煙、粉塵 液体気体泡石鹸の泡 液体エマルジョン(乳濁液)牛乳、マヨネーズ 固体サスペンション(懸濁液)泥水、墨汁、ペンキ 固体気体固体コロイド軽石、スポンジ 液体豆腐、寒天 固体色ガラス、鋼

分散媒が液体であるコロイドのうち、特に流動性に富んだ液体状のものをゾル、流動性に乏しく弾性を持った半固体状のものをゲルという。ゲルはコロイド粒子同士が相互作用によって網目状構造を形成しており、その間に多くの分散媒を含んでいる。ゲルから乾燥などによって分散媒が除かれたものをキセロゲルという。キセロゲルはコロイド由来物質であってコロイドではない。また網目状構造を保持しているため、多孔質である。

コロイド粒子の分類

コロイドは分散質の分散媒との親和性や会合しているか否かで以下のように分類される。

分子コロイド コロイド粒子の大きさ程度の高分子の単分子が分散質であるもの。タンパク質やデンプンなどがその例である。

会合コロイド(ミセルコロイド) 両親媒性分子が溶液中でその平衡状態において自己集合したものをミセルといい、これが分散質であるもの。両親媒性分子とは親水基と疎水基の両方を持つもので、石鹸などの界面活性剤や生体膜を構成するリン脂質などがその例である。例えば石鹸分子は水溶液中において一定濃度を超えると親水基を水のある外側に、疎水基を内側に向けて会合し球状のミセルを形成して、水中に分散する。また濃度や分散媒・分散質の条件によっては球状でなく棒状となったり、疎水基を分散媒のある外側に向けることもある。

分散コロイド 分散媒への親和性が低い物質が分散質であるもの。コロイド水溶液においては水酸化鉄などがその例である。

ブラウン運動

分散媒が気体または液体のコロイドにおいて、コロイド粒子を観察すると、粒子が不規則に、あらゆる方向に運動していることがわかる。これは熱運動する分散媒がコロイド粒子に衝突することによるもので、この不規則な運動をブラウン運動という。

チンダル現象

分散媒が気体または液体のコロイドに可視光線を当てると、その進路が明るく現れて目に見える。これをチンダル現象と呼ぶ。これは、コロイド粒子の大きさが可視光の波長に近く、光がよく散乱されるために起こる現象である。