同じ物質であっても圧力や温度を変化させると、あるところで物理的な性質が大きく変わる。この圧力や温度ごとに決まる物理的な性質を状態や相と呼ぶ。反応性などの化学的性質には状態ごとの特徴が見られる。以下ではそれについて詳しくみる。
固体
外からかかる圧力の変化に対して形と体積をほぼ一定に保つ状態を固体と呼ぶ。流動性はなく、一般に他の状態に比べて密度が高い。金属のほとんどは常温常圧で固体である。
液体
外からかかる圧力の変化に対して形は保たないが体積はほぼ一定に保つ状態を液体と呼ぶ。流動性があり、容器の形に合わせて変形する。また、他の物質を溶かすことができる。密度は固体とほぼ同じだが一般に少し低い(例外:水など)。こうした流動性と密度から、化学反応の場として優れており、実際生化学反応は液体内で行われている。常温常圧で液体の単体は臭素と水銀のみであり、液体の化合物としては水や様々な有機溶媒がある。
気体
外からかかる圧力の変化に対して形も体積も保たない状態を気体と呼ぶ。流動性があり、容器全体に広がる。また、他の気体と混ざり合うことができる。密度は他の状態に比べて遥かに低い。ミクロには、それぞれの粒子が粒子同士の束縛を完全に振り切って自由に飛び回っている状態である。
超臨界流体
液体と気体が共存する状態で温度または圧力を上げていくことを考える。例えば密度に注目すると、液体の密度と気体の密度は同じ値に近づいていき、ある値を境に液体と気体の区別がつかなくなる。そして液体の他のものを溶かす性質(溶解性)と気体の容器全体に広がろうとする性質(拡散性)の両方を兼ね備えた状態になる。これを超臨界状態と呼ぶ。また液体と気体が共存した状態から超臨界状態になる境の温度・圧力を臨界点と呼ぶ。
状態変化
温度や圧力の変化による状態の変化を状態変化や相変化と呼ぶ。固体から液体への変化を融解、液体から固体への変化を凝固、液体から気体への変化を蒸発、気体から液体への変化を凝縮、固体から気体への変化を昇華、気体から固体への変化を凝華と呼ぶ。
例として水の状態変化を考える。常圧(一定)のもと固体(氷)の温度を上げていくと、
出入りするエネルギーは、状態変化が起きない温度のときは温度変化に使われ、状態変化が起きる温度では状態変化に使われている。
状態図・相図
圧力や温度などの物理量の大きさごとに物質がどのような状態をとるかを表した図を状態図や相図と呼ぶ。
固体・気体・液体それぞれ2つの領域の境目においては2つの状態が共存する。気-液・固-液・固-気が共存する温度圧力の曲線をそれぞれ蒸気圧曲線・融解曲線・昇華曲線と呼ぶ。また、固体・気体・液体3つの領域が接する点においては3つの状態が共存する。これを三重点と呼ぶ。