同じ物質であっても、その状態(例えば内部エネルギーと体積と粒子数の組)ごとに異なる種類の物理的性質を示しうる。ある物理的性質に着目した時に同じ種類の性質を示す状態の集まりをその物質の相と呼ぶ。また、温度や圧力の変化に伴ってある相から別の相へと状態が変化することを相転移と呼ぶ。これらは、より厳密には熱力学関数の解析性によって定義される。

ここでは、物質の相に基づいた分類について見ていく。

単相系・多相系

1つの相からなる系を単相系といい、2つ以上の相からなる系を多相系や相系などという。多相系において異なる相の物質が接する領域を界面と呼ぶ。

均一系・不均一系

ある系がそのどの部分をとっても全く同じ物理的性質を示す単相系を均一系といい、そうでない系を不均一系という。巨視的にはどの部分も全く同じ物理的性質を示しても、微視的には多相系で界面が見出されるものは不均一系に分類される。また単相系は温度や密度が一様でない場合は不均一系に分類されるため、必ずしも単相系は均一系とは限らず、不均一系は多相系とは限らない。

溶液・固溶体・混合気体

均一系のうち混合物であるものを均一混合物と呼ぶ。このうち液体・固体・気体の状態であるものをそれぞれ溶液・固溶体・混合気体と呼ぶ。特に気体同士は自由に混ざり合うため必ず均一混合物となる。

分散系

不均一系においてある成分が他の連続な成分のうちに一様に散在することを分散といい、こうした系を分散系と呼ぶ。分散している物質を分散質、分散させている物質を分散媒と呼ぶ。

コロイド分散系・粗大分散系

分散系のうち、分散質の大きさが程度のものをコロイド分散系といい、のものを粗大分散系と呼ぶ。分散質の大きさが極めて小さい場合や広い範囲に渡っている場合など、このどちらにも当てはまらない分散系も存在する。