化学反応による物質の変化を化学式を用いて表したものを化学反応式という。化学反応によって変化する反応前の物質を反応物、化学反応によって変化した反応後の物質を生成物という。

化学反応式の基本的なルールは以下の通りである。 (1) 反応物を左辺、生成物を右辺に置く。 (2) 左辺と右辺は右向きの矢印で結ぶ。 (3) 同じ原子の数が両辺それぞれで等しくなるように係数をつける。 (4) 係数は基本的に最も簡単な整数にする。注目する物質の係数を1とすることもある。

例:(炭素と酸素が結びついて二酸化炭素になる) (エチレンが酸素によって燃焼して二酸化炭素と水になる)

反応式中の係数の比は各物質の個数の比となる。複雑な反応式においては、係数を直ちに求めることが難しいことがある。その際は、係数を文字で置き、各元素ごとの原子数保存から連立方程式を立て、それを解くことによって求める。

ある反応に対して逆向きの反応を考えるとき、元の基準となる反応を順反応(正反応)、逆向きの反応を逆反応と呼ぶ。逆反応は順反応と同時に常に起こっているが、逆反応を無視できるときはこれを不可逆反応と呼び、無視できないときは、これを可逆反応という。可逆反応に関しては、順反応・逆反応それぞれの反応速度や最終的に到達する平衡状態について考える。

より詳細な反応条件の情報を付加したり、反応をより正確に記述することができる。化学反応式はこうした反応前後の化合物の変化以外にも色々な反応がある。

気体・液体・固体等の相

各物質の相を表示することで反応の系における各物質の状態についての情報を表すことができる。

気体にはgasの頭文字の(gas)、液体には(liquid)、固体には(solid)をつける。また、水溶液には(aqua)をつける。

反応前後のエネルギー差や物質の安定性は、それぞれの物質の相によって異なる。そのため、こうしたエネルギーについて議論する際は反応式で相を明示することが必要になる。

沈殿・気体の発生

反応後に気体や沈殿が生じる反応では、物質の右に上下の矢印をつけることでそのことを表す。例えば、石灰水(酸化カルシウム)に二酸化炭素を混ぜて沈殿させる反応は下矢印を使って と書いて炭酸カルシウムが沈殿したことを表す。また、上の状態に塩酸を加えて気体が発生させた際の反応は逆に上矢印を使って と書く。

場合によっては、系から外れたことを示すこともある。

触媒・溶媒

反応によっては触媒を用いる反応や溶媒の種類が重要な反応がある(特に有機反応の場合は水以外の溶媒を多く使ったり、金属触媒を用いたりするため多く使われる)。しかし、これらの物質は反応前後で変化しないので生成物でも反応物でもなく、反応式の矢印の上下に付記することで表す。例えばアルケンのPt触媒による水素化は以下のような反応式で表す。

(図を挿入予定)

溶媒や触媒を矢印の上下のどちらに書くかは明確に決まっているわけではない。また、反応機構を省略する場合は基質でさえも矢印の上下に書くことがある。大事なのは、反応に関わる物質が何か、どのような役割を果たしているか、誤解なく表したり読み取ったりできるようにすることである。

平衡

可逆反応はやがて順反応と逆反応の反応速度が一致し、巨視的に見て様子が変わらない平衡状態となる。このときの反応をを用いて表す。例えば水溶液中における酢酸の電離平衡の式は以下のようになる。 共鳴を表すと混同しないように注意せよ。共鳴を表す式は化学反応式ではなく、平衡とは意味が全く異なる。