晴れた夜に空を見上げると、無数の煌めく光がある。これを星と呼ぶ。同じ場所で一晩中これを観察していると、星々は相互の位置関係はそのままに一定の速さで円あるいは円弧を描くように移動していることが分かる。まるで星々が固定された球面があって、それが回転しているかのようである。このように我々を取り巻くと仮想される球面を天球と呼ぶ。そしてこの球面に固定されていると見なせるような星々を恒星と呼ぶ。単に星といったとき、狭義には恒星を指す。こうした恒星の1日における運動を日周運動と呼ぶ。

さらに星空を毎日同じ場所で1日のうちの同じ時間に見てみると、日ごとにおいても星々は相互の位置関係はそのままに一定の速さで円あるいは円弧を描くように移動していることが分かる。そうして季節によって違った星空が観察される。こうした恒星の1年における運動を年周運動と呼ぶ。このように恒星は空を1年で約366周(日周運動×365周+年周運動×1周)する。

また、遠く離れた別の場所から空を見てみると、やはり恒星相互の位置関係は変わらないが、同じ星が違う高さに見えたり、他の場所では見えなかった星が見えたり、見えていた星が見えなくなったりする。そして場所ごとに決まった日周運動や年周運動が観察される。

このように恒星の相互の位置関係は一定であり、季節や時間、場所ごとに決まった位置にあるので、逆に星々の見える位置から季節や時間、場所を知ることができる。人は遥か昔から、星々の位置を把握するための目印として、明るい星などを線で結んで様々な事物に見立ててきた。このように見出された星の並びを星座と呼ぶ。

星には様々な明るさや色のものがある。明るくよく見えるものから暗くて肉眼では見えないものまで、また白い星・青っぽい星・赤っぽい星などがある。肉眼で見える星は全天で約8600個ほど、一度に観察できるのはその約半分の3000-4000個ほどである。

一方で、星空をより注意深く観察すると、恒星の相互の位置関係とは別に、複雑な運動をする星が肉眼では5個見つかる。これを惑星と呼ぶ。これらは恒星と違って点ではなくぼやっとした広がりを持ったように見え、恒星より比較的瞬かないように見える。

特に夏頃には明るい部分と暗い部分のある雲のような光の帯がよく見える。これを天の川と呼ぶ。またごく稀に、見えなかった星や暗く見えていた星が急激に光り輝いて見える新星・超新星や、尾を引いたような形の彗星などが見られることもある。恒星・惑星などを始めとした、太陽や月も含む空に見えるものを総称して天体と呼ぶ。

天体の運動はどのようであるか?それはどのように引き起こされているのか?天体の正体は何か?我々を取り巻くこの世界の遥か彼方はどのようになっているのか?この世界はどのようにしてできたのか?こうした問いが天文学の始まりである。