DNAが収められている細胞小器官で、核膜によって細胞質と区切られている。核膜は脂質二重層の膜が二つ重なったものである。内部には核小体という密度の高い構造があり、そこではリボソームRNA(rRNA)の転写が行われている。核小体は数個ある場合も多い。核膜に存在する穴(核膜孔)によって核で合成されたメッセンジャーRNA(mRNA)などの様々な物質が核と細胞質の間でやり取りされている。

ミトコンドリア

ミトコンドリアは酸素を用いた呼吸(好気呼吸)を行う細胞小器官で、生命活動に必要なエネルギーを供給する役割を果たしている。脂質二重層による膜を二重に持ち、外側を外膜、内側を内膜と呼ぶ。外膜と内膜の間には膜間腔と呼ばれる空間がある。また、内部に向かって飛び出しているひだ状の内膜の構造をクリステといい、内膜に囲まれた側をマトリックスという。マトリックス内には核に存在するDNAとは異なるミトコンドリア独自のミトコンドリアDNAが存在する。

葉緑体

葉緑体は光合成を行う細胞小器官で、真核細胞のうち特に植物細胞に存在する。外膜と内膜の二枚の膜で囲まれており、それぞれは脂質二重層である。内部に扁平な袋状のチラコイドをもつ。多数のチラコイドが積み重なった構造をグラナと呼ぶ。チラコイドの膜にはクロロフィルなどの光合成色素が含まれており、光合成の光化学反応を担う。内膜に囲まれた内側の空間をストロマという。なお、ストロマには光合成色素が含まれないため無色である。しかし、顕微鏡の分解能の限界から、実質的にストロマも含めて葉緑体全体は緑色に観察される。ストロマ内には、ミトコンドリア同様、葉緑体には核に存在するDNAとは異なる葉緑体独自の葉緑体DNAが存在する。

小胞体

小胞体はタンパク質の合成や輸送、カルシウムイオンの貯蔵を担う細胞小器官であり、核膜と連続して繋がった1枚の膜で囲まれた扁平な袋状の構造をしている。小胞体には粗面小胞体と滑面小胞体の2種類がある。粗面小胞体はリボソームが付着して繋がっており、滑面小胞体はリボソームが付着していない。

リボソームでタンパク質が合成され、そのタンパク質が小胞体内に送られる。小胞体でタンパク質は折りたたまれて正しい立体構造が形成され、ゴルジ体に送られる。このタンパク質の移送は小胞体がくびれてタンパク質を含む小胞を形成し、この小胞がゴルジ体と合体することで行われる。正しい立体構造を取らなかった異常なタンパク質が蓄積しないように、誤った立体構造を持つタンパク質を細胞質に運んでユビキチン・プロテアソーム系で分解する。この防御システムを小胞体ストレス応答と呼ぶ。また、誤った立体構造のタンパク質を修復する機構もあり、その過程でシャペロンと呼ばれる補助タンパク質が働く。シャペロンは小胞体ストレス応答のときに増加する。

ゴルジ体

ゴルジ体はタンパク質の輸送において、タンパク質の発送を担う細胞小器官である。細胞核の近くに存在する。扁平な袋(ゴルジ嚢)が重なってできた層状の構造をしており、小胞体から送られてきたタンパク質はここで糖鎖などを付加される(修飾を受ける)。ゴルジ体には方向が存在し、小胞体側をシス、細胞膜側をトランスと呼ぶ。タンパク質の輸送はシスからトランスの方向に行われる。

エンドソーム

エンドソームは、細胞外から取り込まれた物質や、ゴルジ体から運ばれてきたタンパク質の選別を行う細胞小器官である。物質を細胞内に取り込む作用をエンドサイトーシスと呼ぶ。これは細胞膜の一部が物質を包み込むように陥没し、くびれて遊離することで小胞を生じることによって行われる。小胞は、まず最初に融合する構造体を初期エンドソームと融合する。ここで、再び細胞膜へ戻されて再利用される物質と、分解される物質とに分けられる。分解対象となった物質を含むエンドソームは、ゴルジ体から運ばれてきた加水分解酵素を受け取りながら成熟し、最終的にリソソームと融合して内容物を分解する。つまり、エンドソームは細胞内外の物質輸送における中継所のような役割を担っている。

リソソーム

リソソームは1枚の膜で構成され、球状で袋状の細胞小器官である。リソソームでは細胞内消化が行われる。細胞内消化とは、細胞内の不要な物質や老化した細胞小器官を分解するプロセスのことである。リソソーム内は酸性で、様々な加水分解酵素が含まれているため、タンパク質などの高分子化合物を分解することができる。この点で液胞と類似している。

液胞

液胞は植物細胞で発達しており、細胞体積の以上を占めている。そして、1枚の膜で構成される。動物細胞にはこれを持たないものも存在している。液胞は主に浸透圧の調節や老廃物の蓄積を担うが、一部には加水分解酵素を含むものもあり、細胞内消化に関与することもある。